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    • 2016.07.17 Sunday
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    onescene 2

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      いつもの時間に携帯のアラームが鳴った。
      私はゆっくりと携帯に手を伸ばした。
      本当はアラームが鳴る前に目が覚めていた。
      でも、携帯に触れなかった。
      けれど、アラームが鳴って、覚悟を決めた。
      「・・・やっぱり夢じゃなかった」
      着歴を見ると彼の名前が残っていた。
      やっぱりあの電話は夢じゃなかった。
      私は着歴を消去しようとして手を止めた。
      「俺の跡を消してほしい」と彼は言った。
      携帯のデータや手帳にある名前を消したとしても記憶は残る。
      奥におしやってくれって言ったけれど、はたして記憶が残った状態で、彼のことを知らないと押し通すことなど出来るんだろうか。
      彼のことを聞かれたら、私の言葉や声や表情の端々に彼の跡があらわれるんじゃないだろうか。
      知らないと嘘をつきとおすなんてできっこない。
      それなら、彼のデータを消したりすることはかえって不自然だし、無意味だ。
      第一何かを聞かれたって、私に答えられることなんて限られている。
      私は携帯を閉じると、いつもどおり出掛ける支度を始めた。
      「でも、誰かが彼を探しに来るとして、一体誰が探しにくるわけ?」

      「この冬一番の寒さ?今日はマフラーしていこうかな」
      出掛け間際のテレビのニュースを見て、私はクローゼットに引き返した。
      その時にインターホンが鳴った。
      「こんな時間に誰だろう」
      そう思いながらインターホンの受話器を取る。
      「はい」
      「朝早くすみません。警察ものです。少々お話を伺いたいのですが」
      「警察?なんで家に?何かあったんですか?」
      「佐伯彰さんのことで、ちょっとお話を聞きたいんです」
      「佐伯、彰?」
      『知らないで押し通してほしい』
      彼の言葉を思い出す。
      「ご存じないですか?」
      「知ってます。けど、私、仕事なんです。歩きながらお願いします。今、降りますから」
      「すみません。お願いします」
      まさか、警察が訪ねてくるなんて。
      私はインターホンの受話器を置くと、マフラーを首に巻きバッグを手に取ると家を出た。

      続く?


      *とりあえず、2話目を・・・3話くらいまでは、何とかなりそうです。
      そんな中途半端感じで、手探り状態で進みます。とりあえず。
      カテゴリーごとなくなったら、行き詰ったということで・・・


      onescene

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        最悪の目覚めだった。
        ベッドに入ってから、そんなに時間もたってなかった。
        たまっていた資料整理をしていて、時計を見たら4時だった。
        もう、あまり眠れない。
        眠れないどころか、いつもの時間に起きられるかもあやしい。
        いっそ寝ないで、お風呂にでも入って起きていたらいいかもしれない。
        けれど、無性に布団にくるまりたくなった。
        数時間でもいいから、湯たんぽであたたかくなった布団に入りたかった。
        そう思って布団にくるまって、1時間くらいたったころ、けたたましく携帯が鳴った。
        「ああ、マナーモードにしておけばよかった・・」
        夢うつつにそんなことを思いながら、枕元に置いてある携帯を探す。
        「・・・もしもし?」
        ほとんど声になってなかったんじゃないかと思うくらいの低い声で呟く。
        「悪い。寝てたか?」
        「寝てる・・・今も、半分」
        「ごめん、急いでて」
        「ん・・・で、誰?」
        そういうと電話の向こうでため息が聞こえた。
        「俺」
        「お、れ・・・?」
        「そう。わかった?」
        「うーん・・・俺、たくさんいるからなぁ・・・」
        「あとで着信見ろ。誰だかわかるから」
        「えー?なに、それ?」
        電話かけといて、名のらないとか、そんなことあるのか?
        こんな時間に、寝てる私を起こしておいて。
        けれど、そんな私の心の声は相手には聞こえず、「頼みがあるんだけど」と話し始めた。
        「頼み?」
        「俺の跡を消してほしい」
        「は?」
        「携帯のアドレスからデータを消して、着歴もメールも消去してほしい。手紙・・・は書いた覚えがないけど、カードくらいなら何かと一緒に渡したかもしれない。そういうのは処分してほしい。手帳にもしも名前があるなら消してくれ」
        「ちょ、ちょっと待って。なに、なんなの。この電話」
        「俺を探してほしくない」
        「私は探さない」
        電話の相手がはっきりわかって、私はそう言った。
        「おまえは探さないかもしれない。けど、お前を足がかりに探されては困る」
        「・・・なにしたの?」
        「言えない。消してくれって頼んでるのに、情報増やすことないだろう」
        「記憶は消えないけど?」
        「じゃあ、しまっておいてくれ。どっか奥におしやって」
        「・・・わかった。できるだけのことはやってみる。じゃあ、もちろん、そっちも同じことするのよね?」
        「もちろん。電話はこれが最後だし、会うこともない」
        「・・・そう」
        「誰かに俺のことを聞かれることがあっても、知らないで押し通してほしい」
        「・・・わかった」
        「寝てるとこ悪かったな」
        「本当よ」
        「ごめん。じゃあ」
        電話はそう言って切れた。
        私は着歴も見ないで携帯をパタンと閉じた。
        「俺の跡を消してくれ・・・か。なにやってんだか」
        私は携帯を枕元に置くと布団にくるまって目を閉じた。

        これは、悪い夢かもしれない。
        次に目が覚めたら、着歴を見よう。
        もしも、あいつの名前が出てきたら、電話は本当だったんだから、言われた通りしよう。
        「あ、あれどうしよう」
        イニシャル入りのリング。
        初めてのプレゼント。
        他のものは処分できても、あれだけはなぜか処分できずにしまったままだ。
        「イニシャル・・・アルファベット一文字くらいなら、大丈夫・・・かな」
        それにしても、まだ私の携帯のアドレスに自分のデータが残ってると思ってるところが、頭にくる。
        まあ、でも、残ってるんだけど。
        「ああ、じゃあ、あいつの携帯にも残ってたんだな・・・」
        そう呟きながら、夢であってほしいと思っている自分と、捨てられなかったリングが重なって、なぜか泣きそうになっていた。

                                                                終


        *昨夜、寝る前にふと最初の一行が浮かんで、そのあとの会話も考えたのだけれど、朝になったらほとんど忘れていた。
        メモしておけばよかったなーと思いながら、思い出しつつ書いてみたり。
        先のことも詳しいことも何にも考えずに、ただなんとなく書いたので、続きはあるんだかないんだか(笑)
        本当に、ただなんとなく。久しぶりに。


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